ヤッホー!暮らしの往復書簡vol.18 新もののめかぶ

2021.04.07

コラム食べ物

これは、私が佐那河内村の隣、神山町に住むフードフォトグラファー・近藤奈央(こんどうなお)さんとの公開往復書簡です。日々の暮らしの中で思ったこと、気づいたことをお互いのブログでお手紙のように伝えていきます。近藤奈央さんのサイトhttps://magewappa-bento.com/

こんにちは、先日のお掃除の工夫、とても参考になりました。古い家ならば昔ながらの方法で掃除する方法がふさわしいのですね。

少し話がそれますが、壁に刺さった金属の画鋲が、どうやっても抜けなくて困っていた時です。

同じ金属製のペンチならすぐ抜けるとデザイナー仲間に教わり、試したらあっと言う間に取り除くことができました。同じ材質同士、同じ時代のもの同士は、当然ながら親和性が高いのですね。

さて 新しいものと言うか、”新もの”と言うことで、三陸産のめかぶの撮影に立ち会いました。

なおさんは、海から上がったままのめかぶを見たことがありますか?

生の丸めかぶ

メカブは、ご存知の通りわかめの雌株ですが、くるくると螺旋を描いた不思議な形をしています。

なかなか不思議な形で、同席していた友人は「メカブって初めて見た!こんな形しているの?」と驚きの様子でした。

昔は、雌株は商品価値がなく捨てていたそうです。茹でると強烈なぬめり(フコダイン)が出てくるので、包丁で切ろうとしても滑ってしまい加工が難しいです。螺旋状の隙間に石や異物が挟まっていることがあるので、処理も一手間。これでは漁師さんでも食べようとは思わなかったわけです。

ですが丁寧に処理して茹で上げると、あっという間に美しい緑色になります。

今まで捨てられていたもの、未利用だったものに価値を与えてあたらしく作って売ると言う考え方は農林水産業のあらゆる場面で浮上する課題です。なおさんも、神山の杉を通して普段向き合っていることですよね。、

同様に、自分自身のスキルや個性も、注目していなかったことに改めて目を向けると、魅力の再発見になるかも。

そんなことをめかぶの撮影の合間に思った次第です。