*写真はイメージです
たまたま立ち寄った百貨店。
密閉した店内、消費ががくんと冷え込んでいる今日に逆らうかのように
数十万〜数百万円の宝飾品の催事が出ていた。
買う気もなく、いま買えるわけもなく、立ち寄って接客を受けてみた。
店員「宝石がお好きなんですか?」
私「はい、綺麗ですよね」
店員「つけるともっと綺麗なんです」
私「笑」
店員「実はこちらはとても貴重な宝石でして、パライバトルマリンというのですが。世界三大宝石といわれていて、トルマリンの中でもこのネオン色の輝きはなかなかなくて。私たちとしても 入荷したのは偶然というか。」
私「そうなんですね」
店員「宝石って、出会いというか、どなたも出会えるものではないと言われているんです。特にこのような特別な石は、誰もが出会えるわけではないんですよ。」
私「そうなんですね」
店員「女性は宝石がお好きですよね。美しいものをつけて、さらに美しくなれますから。もし何か必要でしたら、お声がけください」
この接客の絶妙、伝わりますか?
わたしは途中で、「お上手ですね」と喉まで上がってきたけど言いませんでした。
あとで調べて、世界○大宝石というのは諸説あるようです。
この石が世界三大宝石だか五大宝石だかの確度は、客にとってはあまり重要ではない。そして、その宝石がどんな種類かということすらあまり関係ない。
「この商品がいかにすばらしいか」
ではなく
「この商品がいかに貴女にふさわしいか」
を口説かれたわけです。いやな気持ちをする女性はいません。
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自社の商品を売りたいと思った時、
ストーリーや機能を力説するのもひとつですが
「この商品がいかにあなたにふさわしいか」
このような声がけは
わたしたちの心に”商品のすばらしさ”ではなく
”わたしのすばらしさ” または ” 自己肯定感”
などの明るい印象を残します。
もし、いま必要でなかったとしても、
不急不要なものだったとしても。
必要な方に届きますように。