土が健康ならば

2020.01.13

コラム食べ物

2019年 年末に、徳島県阿波市の小野農園を訪問した。
というのも、自分のスイーツを発売するにあたり、

「わたしのお菓子を買っていただく理由」がなんなのか考え直した時、

・自分が心地よく食べられるものをお届けしたい
・食の後ろ側を知っていながら、妥協した素材を選ぶのは無責任かも

と思ったからです。

自分の定番であるキャロットケーキの人参を選びなおした時、小野農園さんに出会い、思い切って畑を訪問しました。

有機野菜とか、農薬不使用とか。シビアなイメージもありますが
こちらの農園にには 健康的な空気しか漂っていませんでした。

小野さんは、40年以上 有機栽培(自然農法)を続けてこられた。

驚いたのは、旬野菜について。

訪問した12月、徳島ではブロッコリーがたくさん作られる時期ですが
小野さんの農園はそれと違い、
人参、大根、葉野菜、大豆、、、あれあれ?
畑には、旬野菜カレンダーとは違う品目が育っていました。

伺ってみると、
「輪作」によって 冬でも多品目の栽培が可能になっているとのこと。
輪作とは、
同じ土地に別の性質のいくつかの種類の農作物を何年かに1回のサイクルで作っていく方法。栽培する作物を周期的に変えることで土壌の栄養バランスが取れ、収穫量・品質が向上する。これにより、連作での病原体・害虫などによる収穫量・品質の低下の問題を防ぐことが出来る。(wikiペディアより)

こちらが、「土のベッド」。やわらか、軽くて、ふかふか。本当にやさしいベッドのようでした。

小野さんは、

「土がよければ、雨と日があれば、極端な水不足などでない限り、
野菜が勝手に育ってくれる。ほおっておけばいいから楽なんだ」

とおっしゃいました。

「楽なんだ」

みなさんはそう思いますか?この言葉の裏側や ここまでたどり着くまでのことを思うと決して楽なことではないことが想像されました。

「良い土の状態は、どういうふうに見極めるのか?」
聞いたところ
雑草や住む虫の種類や様子が変わってくる ということ。

ずっと優しい目で、曇りのない目で
土と向き合ってこられたんですね。

「土さえ元気ならば 勝手に健康に育ってくれる」

小野さんの野菜は、どれも葉が生き生きしていて、それぞれが自分らしく生きているように見えました

そんな野菜を見て、
自分らしく生きていない自分に出会ったような気がして
ほかと違っていいんだよと 教わったようでもあり
気づいたら静かに涙が流れていました

土が健康ならば、自然と育つ

小野さん、すばらしい時間をありがとうございました。