蚕豆が旬だった。
そらまめという言葉も好きだが、てんまめと呼ぶ人もいてなぜかこのほうが好意を感じる。天に向かって伸びやかに育つ姿に憧れを感じる。
ふさを開けると、
胎盤と子どもをつなぐへその緒のようなものが、ふさと豆をつないでいる。
しっかりした土台の内側に綿のようなふとんをが敷かれていて、
命をいかに守っているかと思うと神秘。
女性の体もこのようになっているかと感じずにはいられないのは、サガ。
育まれた子ども(豆)は お歯黒ができていた。胚芽の部分が黒くなっている。
こうなると、旬もそろそろ終わり頃と、野菜の先生に聞いたことがある。
さて、せっかくなので茹でて浸し豆にしようと思った。
そこで豆だし、しっかり目に茹でようと思いきや、茹ですぎてしまった。
あまりにもほろほろと崩れてきたので潰すことにした。
フムスのようにしてみよう。
フムスはタヒニが入ってこそなので、フムスではないけれど。
ゆでて潰したてん豆に、少量のオリーブオイルと、塩。以上。
味は・・・ なんと美味しいことか、自分でも驚いてしまい、
近くにあなたがいらっしゃれば味見して欲しかった。。
コク、奥ゆき。命の濃さ。そんな味だった。
旬のてん豆に出合ったら、ぜひ試して欲しい。