これは、私が佐那河内村の隣、神山町に住むフードフォトグラファー・近藤奈央(こんどうなお)さんとの公開往復書簡です。日々の暮らしの中で思ったこと、気づいたことをお互いのブログでお手紙のように伝えていきます。
近藤奈央さんのサイトhttps://magewappa-bento.com/
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なおさん
こんにちは。自分が暮らす土地への感情について共有いただきありがとうございました。
なおさんも違和感を持ちながら過ごしてきたのですね。
軸やアンカーと聞いてハッとしました。
私の場合、その土地に仕込む「軸」を定期的に外す習性があります。
いろいろな土地を巡っても、根を張ることへの勇気がなくて。
一つの場所に一定の時間以上いると、なぜか不調が増えるんですよね。
不調を軽減したり自分を整えるために あちこちを移動して自分を保っているのですが
本当に風来坊でわがままですねえ。
作品の額装のために、淡路島に行くことが増えました。
淡路から今いる村に戻ると、日頃感じにくい、なんというか空間が持つ力のようなもの・ことを感じやすくなります。
佐那河内村は、なんとなく古い時代のエネルギーが残っているように感じます。
貨幣価値がなんだか徳島市とは違うし、上層階級に統治されない集落による社会集団の形成がいまだに残っていたり。本来の日本の民俗性を秘めているようです。
小さな山と谷による地形が、前の時代の価値観を閉じ込めているというか、守っているのだなあと。
風まかせの私にはそれが強烈な違和感であり価値観でもあります。