これは、私が佐那河内村の隣、神山町に住むフードフォトグラファー・近藤奈央(こんどうなお)さんとの公開往復書簡です。日々の暮らしの中で思ったこと、気づいたことをお互いのブログでお手紙のように伝えていきます。
近藤奈央さんのサイトhttps://magewappa-bento.com/
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なおさん
こんばんは。流れに逆らわず、ご自分がしっくりこないことに気づいて、少しずつ手放し、やめていく姿、清々しくて素敵です。
外側の環境も、自分の内面も諸行無常。変化に合わせてやっていくのが自然なのだと。
そうして気づいたら長年手がけてきたことが花咲くというのは素晴らしいし
やはり自然の営みに身を置いているということに等しいのだと思いました。
私も時折感じている違和感があります。
「自分はどこの土地の人間なんだろう」ということです。
ちょうどこの記事を書いている今、東京の実家から戻ってきたところなのですが
東京で予定していた仕事が諸事情でキャンセルになり、
ハレのお仕事の時間ではなく、東京でのケの時間を過ごすことになりました。
言い換えると、誰かに会ったりどこかへ出かけるための、他所行きの自分ではなく
自分が産まれ過ごした場所で、家族と会話や食事をしながら 内向きの自分らしい時間を過ごすことになったのです。
2〜3日程度のことですが、産まれた場所にいる自分がごく自然だったことに気付かされました。
どうやら、東京で暮らしていたときは、本当の自分を否定して、憧れを追い求める自分を作って演じていたみたいです。
少しずつ月日が過ぎていき、
改めて 自分を否定していた場所へ戻ったら、
気づいたらそんな殻が無くなっていたのか
「あれ、本当の自分らしいかもしれない」と思ってしまいました。
私ってなんだけ。
なぜ今ここに住んでいるんだろう、なぜ今ここに住んでいないんだろう。
“違和感”に気づいた帰路。
さて、なおさんのように心地よく次のステージへ進めるのかなと あれこれ思う夜になりそうです。