これは、私が佐那河内村の隣、神山町に住むフードフォトグラファー・近藤奈央(こんどうなお)さんとの公開往復書簡です。日々の暮らしの中で思ったこと、気づいたことをお互いのブログでお手紙のように伝えていきます。
近藤奈央さんのサイトhttps://magewappa-bento.com/
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なおさん
こんにちは。新しく筋トレを始めたとは 大きなハードルを1つ飛び越えてみたわけですね!
尊敬です。
「”これで合ってるのかな?”と確信がないまま続けるというのは想像以上の苦痛になったりします。」
とありました。
わかります。
私は作品制作の際に、「新しいものを作って欲しい」と言われて
ではチャレンジしようと思ったものの、
「どうやって新しいことをしたらいいんだ・・・!」とわからず、河原に出て枯れ草を摘んできて、
草に墨をつけて文字を書こうとしました。
とっさにやってみた、実験してみた。そんなことを思い出しました。
これでいいのかわからない闇は、結構長いトンネルのようなのですが、
例えば芸術やスポーツだと、スランプにこそ醍醐味があったりする。
(そこを抜けた時に飛躍することが多い)
そんなように思います。
似たようなことををちょうど考えていたので綴ってみますね。
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武術の仙人みたいな方が、日々の稽古の中で「一生答えなどわからない」と言っていました
絵の恩師が「何が答えなのかわからない」
書の恩師が「美しい文字の追求方法など探っても探っても辿り着けない」
年の功を重ねた方々が口を揃えて言っていました。
何の答えかといえば、想像するに武道でも絵でも書でも他の分野でも、
道は違えど行き着く先にある一つの真理なのだと思います。
ゴールにどうやったら到達するか、今この道で良いのかわからないことに皆不安を感じているようです。
近代の人間は
・不明なこと
・枠にはまってないこと
・先が見えないもの
に不安を感じる生き物だと思います。
想像力というか、余計な妄想力や不安の創造力がたくましいんですよね(笑
田舎で暮らすようになって、そういう時に植物が教えてくれることが多くなりました。
多分、
「どうやったら美しく咲けるだろう?」という術など、
植物たちは考えることもなく、季節が来れば花をつけ、
根を張り枯れるまで命を全していて
無駄な負のエネルギーを使わずに美しく生きているように見えます。
一つ答えがあるとすれば、
「今のやっていることが自分にとって本当に心地よいかどうか」
これは間違いのない指標の一つかなと。
痛くても気持ちいい・・・のであれば 多分正解なんだと思います。
自戒を込めて・・・