ART 豊穣
CL:有限会社竹内園芸
実施年:2019
場所:徳島県板野郡
内容:書作品の制作
育苗会社の大手、竹内園芸様が企業として掲げるもっとも重要な言葉の一つ「豊穣」を書に認め制作しました。
作物を栽培する知恵が古来より現代へ伝承されてきたことに敬意を表し、古い象形文字のひとつ「篆書(てんしょ)」を選び、行書やイラストのような要素を加えてアレンジした作品。
「豊」と「穣」のそれぞれの文字を解釈しながら創作し、親しみやすいよう左から右への現代読みの配置し、作物の伸びやかな生長と豊穣という大きな喜びを多くの人々と分かち合いたいとの願いを込めています。
それぞれの文字について
「豐」
豆の部分は高杯(たかつき)という足のついた食器を示す。この高杯には、キビなどの穀物が山のように盛られており、キビが発芽し、上方に生長し葉をつけ始めた様子を示している。豆の上にある「山」は山盛りの様子を示している。
「穰」
篆書体のノギヘンに、旧字体「穣」のツクリの部分を組み合わせた。ノギヘンは、稲がたわわに実りコウベを垂れている様子を示している。このような稲は、しっかりと根を張っているため、縦の線をごく太くしどっしりとした印象を与えた。ツクリは、「衣」という字が隠されており、これは播種用の袋を示す。横3本と縦2本の線から構成される部分は、人が土を耕している様子をごく簡素化したもので、「穰」全体として稲作に携わる人の様子を表している。